米国の恐ろしい現実!『Sicko(シッコ)』
映画館で『Sicko(シッコ)』 を観ました!
監督は突撃取材で有名なマイケル・ムーア氏!
コロンバイン銃乱射事件を題材にした『ボーリング・フォー・コロンバイン』で、アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門を受賞
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロを題材にした『華氏911』で、カンヌ映画祭パルムドールを受賞
『華氏911』→
・・・とドキュメンタリー監督としての確固たる地位を築いたムーア氏の最新作であるこの映画は、
アメリカの医療制度
を題材にしたもの。
(ちなみにSicko(シッコ)とは英語のスラングで「精神的におかしい人」「病的な人」という意味。「ビョーキ」っていう訳がぴったりくる感じ??)
映画では、アメリカは先進国で唯一、
全国民を対象にした公的医療保険制度がない国
として紹介されています。
(世界の健康保険充実度ランキングで、アメリカは先進国中最下位の37位!ちなみに日本は10位・・・)
アメリカには、低所得者向けのメディケイド、高齢者向けのメディケアという公的医療保険制度があるにはあるのですが・・・
これに該当しない場合、個人(または雇用主)がそれぞれ民間の保険に加入しなければなりません。
そのため高額な保険料を払えず、保険に加入できない人たち(国民の約15%)もいて、医療機関にかかった場合は、高額な医療費を全額自己負担しないといけません。
保険料を払えないくらいの人たちが医療費を払えるわけもなく、病院側も保険がない人の治療を拒否したりといった問題がおきています。
でもこの映画が主に取り上げているのは、こうした無保険者のことではなく・・・
民間の保険に加入している人たち(国民の約70%)。
保険に加入していれば問題ないのでは??
と思いがちですが、これがとんでもない仕組みになっていることが映画で次々と明らかになっていきます。
弱者の味方と言いつつ、利益追求のため保険金を出し渋る保険会社。
既往症の未申告などあらゆる理由を探し出して、
なんとしても保険金を出さない!
という保険会社の断固とした姿勢に驚きました。
そのため必要な医療が受けられず、助かる人も助からない事態が発生しています。
また、各保険会社には契約している病院以外では治療を受けられないなどの制約があるため・・・
救急車で運ばれた病院が、自分が加入している保険会社の契約病院ではなかったため、治療を受けられず亡くなってしまったケースも紹介されています。
びっくりしたのが、救急車を呼んだ場合、事前申請がないと保険金の給付が受けられないという条項。
事故にあって意識のない人に、どうやって事前申請させろっていうんだか・・・(@0@)
9.11同時多発テロの際に活躍した消防隊員たちでさえ、治療を拒否される人たちがいることなども紹介されており、アメリカ医療制度の恐ろしい現実が浮き彫りになっています。
それとは対照的に、基本的に医療が無料で受けられる、カナダやイギリス、フランス、キューバの現状も紹介されているのですが・・・
こちらは患者に必要な医療を必要なだけ提供する、患者重視の姿勢がとられており、これこそ医療の本来あるべき姿だよね・・・・と思いました。
(でもその分、税金が高いんでしょうけど・・・)
映画の後半で、ムーア氏が、9.11で活躍したにも関わらず必要な医療が受けられない人たちを連れてキューバに行くのですが・・・
この部分がちょっといい話になっていて、感動しました。
でも、政府の許可なしにアメリカ人がキューバに行くことは法律違反なので、この行動が問題になり・・・
ムーア氏は没収を避けるため、マスターフィルムをカナダに保管したりと対抗措置を取ったそうです。
でも、今回のムーア氏。
今までの作品に比べて、突撃取材なども控え目で、とっても大人になった印象を受けました。
映画のために20kg減量したそうなのですが、その成果はあんまりわかりませんでしたが(^^;)。
しかし、アメリカの医療制度がこんなにヒドイ状態なのに、変わらない一番の原因は、政治家と保険会社の癒着にあるようです。
保険会社から多額の献金を受け取っている政治家たち
お金のために、国民を苦しめている事実に良心が痛まないのかな・・・
上映時間は123分ですが、全く長さを感じませんでした。
エンドロール中にもムーア氏からのメッセージが表示されますので、是非最後まで観てください~!
今日の一言「観終った後、思わず拍手をしたくなるような映画でした!」
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